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Science 310 (5756), 1933-8 (23 Dec 2005)
(private-note)『気まぐれ生物学より引用:動物進化は爆発だ!(2006.01.15)
動物の門の間の系統関係は,多くの研究者が関心を持っているにもかかわらず, いまだ未解決の部分が多く含まれています。近年は大系統を解くために多数の遺伝子用いた系統解析がしばしば行われますが, 動物界の系統樹にはそれでも解決しない部分があるそうです。Rokas et al. (2005) は系統関係が解けない部分は, ごく短い期間に爆発的な適応進化が起こったことを示していると主張しています。
彼らは多数の鍵となる系統群を含んだ動物門を含んだ系統解析を行っています。 データベースからの配列に新たな配列を加え,50 遺伝子を用いて最尤法と最節約法などで系統樹を描いています。 これほどの数の遺伝子を用いたにも関わらず,3 系統の海綿と刺胞動物,そして左右相称動物, これらの 5 系統の間の系統関係は全く解けませんでした。同様に前口動物の初期の分岐順序も解決しませんでした。 対して,同様の解析を菌類について行ったところ,こちらは系統樹が全体的によく解けていました (実は菌類の初期分岐が系統解析に含まれておらず,その状態で解けたと宣言していいのかは疑問です)。系統解析上のバイアスなどが原因になっている可能性を考察,排除した結果, そしてシミュレーション研究を行った結果,動物でのみ系統樹が解けない原因として, 分岐順序が不明な動物門がごく短期間に分岐した可能性が考えられました。シミュレーションの結果からは, より古い時代であればあるほど,短期間(〜 1,000 万年)に起きた分岐は解けなくなると推定されました。 古生物の研究からは,カンブリア紀の初めのごく短期間に多数の動物門が出現したと言われており(カンブリア紀の大爆発), 今回の系統解析からの推定と一致しているように見えます。またさらに基部の分岐についても, エディアカラ紀の多細胞動物の出現と符合しているとも解釈できます。
これは妥当な解釈なのでしょうか? Jermiin et al. (2005) はこの論文の紹介論文の中で, Rokas et al. (2005) の系統解析の不備を指摘しています。系統解析においてはデータの質や量,解析方法, そして進化モデルの推定方法など様々な条件が結果に影響しますが, 例えば Rokas et al. (2005) が用いている進化モデルはやや単純であるなど,幾つか問題が認められるとの事です。 しかし,それにも関わらず動物の進化が 2 段階の爆発的多様化によって起こったとするデータは魅力的で, また充分なデータに基づいていることも同時に評価されています。
さて上述の放散がカンブリア紀の爆発などに対応するとのアイデアについては,個人的には異論があります。 確かに環境変化などのきっかけがあるのか,ある地質年代に多数の門が同時的に出現する現象は存在するようです。 しかしこれは一時に分岐が起こったことを直接示しているわけではありません。 系統樹上で二つの系統が分岐する場合,分岐直後は両方の系統に属する生物は区別がつかないほど似ていたと考えられます。 両者が例えば独立の門に属する化石として識別できるようになるのは,それぞれの系統が(現生生物から考えられた) 門の定義に該当するような形質を進化させた後になるはずです。 つまり,地質学的にある系統(と明瞭に識別できる化石)が出現する時代は,系統樹上である系統が出現した (二分岐が起こった)時代よりも幾分遅れているはずなのです。 従って前口動物の初期分岐が起こった年代は,カンブリア紀よりも昔に遡ると考えた方が妥当ではないかと思います。 言い換えれば,先カンブリア時代に(何らかの原因で)前口動物の初期分岐が一斉に起こり, その後,カンブリア紀の頭に(おそらく硬骨格の獲得が可能な環境になり) 多くの系統で一斉に各動物門を定義づけるような形質の進化が起こったとも考えられるということです。 もちろん,系統分岐の直後に形質進化が起こったかもしれませんから,確かなことが言えるわけではありませんが, 系統樹を解釈する時には,系統分岐と形質進化を区別して議論することも大事ではないかと思います。
余談ですが,Jermiin et al. (2005) による系統樹作成法に関する議論は, 系統樹を描く際に留意すべき議論がよく網羅されており, (特に大系統の)系統樹作成に関心がある人には参考になると思います。
Rokas, A., Krüger, D. & Carroll, S. B. Animal evolution and the molecular signature of radiations compressed in time. Science 310, 1933-1938 (2005).
Jermiin, L. S., Poladian, L. & Charleston, M. A. Is the "big bang" in animal evolution real? Science 310, 1910-1911 (2005).』
Toward automatic reconstruction of a highly resolved tree of life
Science (New York, N.Y.) 311 (5765), 1283-7 (03 Mar 2006)
Science 294 (5550), 2310 (2001)
Annual Review of Microbiology 59 (1), 191-209 (01 Oct 2005)
Treeworks Environmental Practice Blog, (25 Jul 2008)
Temperatures in UK cities are predicted to rise by 3–7°C by the end of the century. Research indicates that a 10% increase in urban tree cover would completely neutralise this impact.
hubpages.com
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